志葉玲

日本のメディアは「私はシャルリー」の意味を解説すべきだろう。このスローガンは単純にシャルリー紙の表現に賛同しているというわけではない。仏誌『マリ・クレール』が解説しているように、たとえ、その内容自体に同意しないとしても、表現や報道の自由、それ自体は守られるべきだという意志が込められている(関連情報)。フランスの哲学者ヴォルテールの言葉「私はあなたの意見には反対だ。だが、あなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」を体現するものなのである。また、テロを批難し「表現の自由」の大切さを訴えることと、イスラム教徒への迫害することは全く別のことだ。11日に行われた大規模デモにフランスの極右政党「国民戦線」が参加を見合わせたのも、事件に乗じたアラブ・北アフリカ移民への排斥の動きに、社会党が与党である現フランス政権が批判的だからという事情があるのだ(シャルリー紙自体が「国民戦線」に対し、極めて批判的だったという経緯もある)。